栃木レザー | デザミンの革について

栃木レザー

デザミンでは強度を必要とする部分や頻繁に曲げ伸ばしを行う部分を中心に、アイテムの様々な部分に日本で最高峰と言われる栃木レザー社製のフルベジタブルタンニングレザー(植物性タンニン鞣しのヌメ革)を使用しています。

植物性タンニン鞣し

フルベジタブルタンニングレザーは文字通り植物性の天然成分100%でつくられた植物性タンニン鞣しの革。
有害な物質を一切使わずに天然のチェスナット(栗)、オーク(ナラ)、ミモザ(アカシア)などのワットルバーグ(樹皮)から抽出された樹液のタンニン(渋)の槽に1枚1枚皮を20日間漬け込んでつくられます。
長い時間をかけて鞣されたあとに、染色によって色がつけられます。

通常革を鞣すときには革にタンニンを浸透させるために「タイコ」と呼ばれる大きな大きなドラムに革とタンニンの液体を入れて回す製法が多く使われています。

しかし栃木レザーのフルベジタブルタンニングレザーは、革の繊維を崩さずに植物性タンニンを革の中心まで浸透させるために、あえてそのような製法をとらず、160ものタンニン濃度が違うタンニンのプール(ビット槽)に順番にタンニン濃度を上げて浸けこんで鞣します。

長い長い時間をかけてシーソーのように左右に揺らしながらゆっくりゆっくり鞣していくのです。

栃木レザー社の植物性タンニンなめしの革はこのように革に無理な負荷をかけず、革本来の魅力を100%出せるよう30以上の工程を経てじっくりtpなめされ、染色の乾燥もいれると通常の革の数倍も手間と時間をかけて創られています。

プロが使わない革

使い込むほど手に馴染み素晴らしいエイジングを楽しめる ”革らしい革” であるフルベジタブルタンニングレザーですが、表面がコーティングされていないためデリケートで、革本来の傷やしわなどの特徴がそのままなため個体差があり、その天然素材ならではの扱いにくさから”プロが使わない革”と呼ばれるようになりました。

「タンニン鞣し」と「クロム鞣し」

現在、主に流通している革の9割が化学薬品を使った「クロム鞣し」による製法の革といわれており、着色には革の表面に顔料による塗料を塗り、キズなどを隠したものが多く流通しています。
タンニンなめしに比べ、クロム鞣しは革をなめす工程と時間が少なくコストが安く、水や熱に強く、傷がつきにくいため扱い易いという利点があります。柄物や色物、型押しなど様々な加工をするには良い革です。

クロム鞣しの革ジャンやバッグを使うとだんだんひび割れてくるのは、実は革の表面に塗料を吹き付けているものが多いため、この塗料がひび割れてくることが原因なのです。
しかし、何倍もの早いスピードで製造ができ、低コストで大量生産が可能であり、傷やしわなどの革本来の風合いが隠れるため、店頭に並ぶときに個体差がなく管理がしやすいという理由から、多くの製品で使用されるようになりました。

こうしてクロム鞣しが革の主流になる反面、革が本来の持つ味や、風合いは失われていきました。

通常「もの」は買った瞬間・使った瞬間から劣化していきます。
しかし本当に良いヌメ革は使えば使うほどにエイジングして深く熟成され、最初は堅いヌメ革も使い込むほどに「あなたに必要なだけ」柔らかく育ちます。

デザミンでは「一生モノ」に出会っていただくため、最高のデザイナーが描いたデザインのベースに最高の素材を用意しました。

環境への配慮

栃木レザー社では自然環境の保護のため、革の製作工程で出る排水処理の際にも薬品を使わず、バクテリアや微生物によって段階的に中和、浄化される循環システムを採用。

その際に出る汚泥を肥料として再利用できるよう農林水産省に登録しています。伝統的な技術と革新的な智慧で、自然との共生という環境革命を目指しSDGsの”安全な水を守る” ”陸の豊かさを守る”という目標に共感し取り組んでいます。

栃木レザーで創られたアイテムももちろん土に還ります。
ぜひ毎日ガシガシ使ってあげてください。

栃木レザーでつくったアイテム